零戦の話
ゼロ戦じゃなくレイ戦、と読みましょう。 goo辞書にはこうあります。
旧日本海軍の「零式艦上戦闘機」の通称。太平洋戦争直前に完成。航続距離が長く、軽快で運動性に富み、当時の世界水準を抜いた単座の高性能戦闘機であった。零戦(れいせん)。〔皇紀2600年(1940年.昭15)に制式採用されたところからの称〕
50年目の零戦、という本を今読んでます。著者は飛行機モノを書かせたらピカ一の鳴海章。
操縦そのものから兵装、コクピットの描写まで緻密で、飛行機好きにはたまらない作品が多くあります。自衛隊のパイロットものとかね。一時期空自のF-4EJファントムものをシリーズ化して書いてました。自分の航空機の知識はほとんどがこの人の小説から得たものです(笑)
本作品はそんな作品群の中では異色の作品。十勝平野で戦後50年経って偶然発見された零戦を、飛べる状態にレストアしようという男達(一部女性含む)の物語。
代わりばえのないサラリーマン生活から身を洗って取り組む人もいれば、その機体に特別の想いを寄せる人もいる。ドンパチや人の生き死にとは無縁な地味なストーリー展開ですが、人々のひたむきな姿に読んでいてじーんと来る部分がとても多い。読んでいるうちに、気が付くと零戦を設計した人たちの情熱まで感じさせてくれます。
さて果たして復元は出来るのか、ちゃんと空を飛べるのか…については伏せておきます。ブックオフで100円で売ってる時もあるので、この記事読んで興味持った人は読んでみて下さい。淡々としたストーリー展開ながら、ある部分でかなり、泣けました。
さて復元された零戦というと、河口湖畔にある自動車博物館の特別展で一度だけみたことがあります。フライアブルではなかったようですが、南方の島から引き上げたボロボロの零戦を何年もかけて外観を見事に復元させていました。
フライアブルな零戦は世界で2機、と言われています。アメリカの博物館に復元され同世代のグラマンのエンジンを積んだ零戦があり、それの飛行シーンをたっぷりと収録した「ノスタルジックファイター」というソフトがあります。
LDを手放してしまったのでDVDとして保存しているけど、映像も溝口肇の音楽もとてもいい。カルフォルニアの澄み切った空を、零戦が優雅に舞います。かつて激戦を交えたP51ムスタングとの2ショット飛行シーンも、平和っていいよなあってしみじみ思わせてくれます。この当時のテクノロジーの結晶が、人を殺すためのものだったという事実がただただはかない。現代の単発プロペラ機に、ここまでの機動性はないはず。
そして旧敵国の機体をここまで大切に保存してくれるこの米博物館の懐の深さがまたすばらしいと思います。一度でいいから、実物が飛ぶところを実際に見てみたいなあと思います。
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